廃棄物

廃棄物の考え方

かつては衣料品の大量廃棄が社会的な問題としてクローズアップされたこともありました。また、廃棄は経済的な損失だけではなく、資源が有限であることの意識を薄れさせ、再利用可能な資源を無駄にする等さまざまな弊害があります。そのような問題と真摯に向き合い、健全な地球環境をからもたらされる豊かな恵みを未来へつなぐために、私たちは、「ファッションロスゼロ」を目指していくことを宣言し、20212月より商品廃棄ゼロを継続しています。廃棄物の削減やリサイクルの推進等に取り組むことにより、循環型事業モデルの構築を目指します。

廃棄物のリスク

着用が終わった商品が適切に再資源化されないと、廃棄物として更なる環境負荷を生み出します。今後生産者拡大責任・リサイクル(回収)義務化などの法制化が進むことを移行リスクとしてとらえています。

また、リサイクル素材使用・回収・長期使用・リユースなど循環型事業モデルを実行していないことに対して、ステークホルダーの重大なレピュテーションリスクがあるととらえています。

廃棄物の機会

廃棄物を出さない循環モデルの構築や衣料回収の推進によってお客様とのエンゲージメントの強化に努めます。また、商品の企画、製造から使用、リサイクルまでの各段階において、環境に配慮したプロセスを導入することにより、企業信頼度の向上に努めます。

指標

発生抑制(Reduce

・適量生産に努めます。

・製造過程を見直し、廃棄物を極力出さない循環型事業モデルを構築します。

再使用(Reuse

・製造過程において廃棄物とせずに、可能な限り資材の有効活用を図ります。

再生利用(Recycle

・リサイクル素材の使用に努めます。

・衣料回収やその啓発を推進します。

長期目標 2050年 KGI

・ファッションロスゼロの実現

廃棄/無駄を生み出さない、循環型事業モデルの構築

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CASE

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繊維資源の循環

衣料回収によるダブルサーキュラーシステム

私たちは、製造者の責任として、製品生産に伴う残反や、お客様へ販売した商品は、その役目を終えたあとも"資源"としてとらえており、衣料回収・再資源化することに努めています。

(社)繊維育英会と協力し、"Withal"というダブルサーキュラーの衣料資源を循環させる仕組みを作っています。回収衣料を仕分け、粉砕し、成形したものは、繊維リサイクルボードとなり、店頭や本社什器にて活用し、紡糸・製糸されたものは再生繊維となり、新たな製品に生まれ変わります。

衣料回収は、不定期に店頭にて行うほか、文化服装学院に常設で設置して行っています。また、再生された糸は布として再利用していくほか、繊維リサイクルボードは店頭什器や、社内の本棚、プランターケースとして利用しています。

ダブルサーキュラーシステムの流れ

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CASE

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廃棄される商品の再生販売

OVERDYE PROJECT

製造プロセスで出てしまう織キズや染ムラ等、普段使いに支障がないモノを、新たな価値を持って生まれ変わる「OVERDYE PROJECT」として再生する取り組みを行っています。

CASE

プラスチック使用量の削減

ハンガーのリユース

TSIグループでは、工場や検品所、店舗で多くのハンガーを使用していますが、使い捨てるのではなく、リユースする取り組みを実施しています。このように、製造品はもちろん、副資材にも目を向け、循環型モデルの構築を目指します。

ステークホルダーメッセージ

㈱TSI 事業本部 ファッションキャピタルDiv.
SI事業部 ピンキー&ダイアン ブランド長
岡村 淳司

お客さまと楽しみながらSDGsに貢献していきたい

2019年から各ブランドの店頭で衣料回収イベントを開催しています。お客さまのSDGsに対する関心が深まったり、お持ち頂いたお洋服を通じて昔話が盛り上がるなど、お客さまと良い繋がりが持てる施策になっております。
今年は衣料品回収に加え、「鎮守の森のプロジェクト」を通じた植樹を再開する予定です。お客さまのお洋服が、再生繊維だけではなく一本の木に生まれ変わるというイベントを通じて、お客さまと共に楽しみながらSDGsに貢献していきます。

㈱TSI プラットフォーム本部
SCM部 品質管理課長
瀬戸 浩

不良品廃棄ゼロに向け、新たなプロセスを

廃棄物の中では不良品が大きなシェアを占めています。この廃棄ゼロに向けて最も大切なことは、先ず良品のみを仕入れること。そして私たちが不良品を生まないことです。そのために「指定検品所制度」の導入や「品質情報展」の開催などを実施してきました。それでも発生する不良品は、これまでの社員販売に加え、今後は外部サステナブル事業とも協業してアップサイクルなどの新しいプロセスを積極的に増やしていきます。