生物多様性は、私たち人間を含めた全ての生命が相互につながり、支え合う基盤となるものです。生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性によって健全な地球環境を生み出します。私たちの事業も、生物多様性の上に成り立っています。
コットンをはじめとする天然繊維は、土壌、森林、牧草地、にいるバクテリアや昆虫、鳥などの動植物や、豊かな生態系が育む湿地が貯留する水など、生物多様性に支えられた、生態系サービスに依存して製造されています。
しかし、コットン栽培や、ウール、カシミヤ等の生産のために家畜を放牧することで利用する土地や水、衣服の製造過程における排水等は、生態系サービスを機能させる生物多様性に負の影響を与えています。
私たちは、事業が生物多様性に与える負の影響を可能な限り回避・低減していく必要があると考え、行動に移していくとともに生物多様性の保全および再生に向けた取り組みを推進します。
生物多様性損失の主要因 |
生物多様性損失の影響 |
土地・海域利用 農地・都市開発による森林、湿地・草地の改変や鉱山採掘、海域・沿岸開発・海洋採掘 |
・コットン栽培による大規模な土地の改変 ・ウール・カシミヤ・レザー生産のための家畜の過放牧による土地の劣化・砂漠化 |
直接採掘 林業・漁業・バイオマス |
・コットン栽培による水利用 ・ビスコース・レーヨン等の木材原材料調達による森林および熱帯雨林破壊 |
気候変動 温室効果ガス排出 |
・輸送や配送にともなう温室効果ガス排出 |
汚染 土壌、海洋汚染 |
・コットン栽培による農薬汚染 ・繊維染色にともなう水質汚染 ・洗濯時の糸くず等のマイクロプラスチック汚染 |
原材料生産に係る生物多様性負荷の軽減
私たちの主原材料であるコットンの生産は、大量の化学肥料と農薬の使用、過剰な農業用水の利用により土壌や生物多様性に悪影響を与えるなど、生物多様性に対して大きな負荷を引き起こしています。
私たちはこれらの社会課題に取り組むために、2022年よりシンコムアグリテックと業務提携を行い、化学肥料を使用しない土作り、農薬を使用しない栽培管理など「最新の有機栽培技術」を用いたコットン栽培を進めています。併せて周辺地域の環境保全と再生を行いながら、環境負荷の低減を科学的根拠に基づいて推進していくことで、生物多様性への寄与を図ります。
生産したコットンは将来的にサステナブルなサプライチェーンを構築し、商品で原材料として使用していく予定です。
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