生物多様性

生物多様性の考え方

生物多様性は、私たち人間を含めた全ての生命が相互につながり、支え合う基盤となるものです。生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性によって健全な地球環境を生み出します。私たちの事業も、健全な生物多様性の上に成り立っています。事業が持続可能に成長していくには、生物多様性に与える負の影響を可能な限り回避・低減していく必要があると考えています。2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)ために採択された国際的な世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の実現に向けて、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する目標の30by30を参考に生物多様性の保全および再生に向けた行動を推進していきます。

生物多様性のリスク

気候変動が激甚化していく中で生物多様性は地球の環境を保全・再生していくために欠かせない要素です。私たちの事業を支える原材料を育む土台となる、生物多様性が失われていくことは、健全な事業成長において重大なリスクとして認識しています。コットンをはじめとする天然繊維は、土壌、森林、牧草地、にいるバクテリアや昆虫、鳥などの動植物や、豊かな生態系が育む湿地が貯留する水など、生物多様性に支えられた、生態系サービスに依存して製造されています。しかし、コットン栽培や、ウール、カシミヤ等の生産のために家畜を放牧することで利用する土地や水、衣服の製造過程における排水等は、生態系サービスを機能させる生物多様性に負の影響を与えています。私たちはこの影響を重大なリスクとして認識し、その改善に努めてまいります。

生物多様性損失の主要因

生物多様性損失の影響

土地・海域利用

農地・都市開発による森林、湿地・草地の改変や鉱山採掘、海域・沿岸開発・海洋採掘

・コットン栽培による大規模な土地の改変

・ウール・カシミヤ・レザー生産のための家畜の過放牧による土地の劣化・砂漠化

直接採掘

林業・漁業・バイオマス

・コットン栽培による水利用

・ビスコース・レーヨン等の木材原材料調達による森林および熱帯雨林破壊

気候変動

温室効果ガス排出

・輸送や配送にともなう温室効果ガス排出

汚染

土壌、海洋汚染

・コットン栽培による農薬汚染

・繊維染色にともなう水質汚染

・洗濯時の糸くず等のマイクロプラスチック汚染

生物多様性の機会

生物多様性の保全・再生を推進していくことは、は私たちの事業で使用する天然繊維を安定的に使用し続けるために必要なことと捉え、生物多様性に寄与する素材の使用を推進しています。また、素材の選択だけではなく、生物多様性に寄与する素材開発を推進する企業への投資を行っていくことで、パートナーシップを築き、弊社のみならずアパレル産業全体の活性化に寄与することを機会としてとらえています。

指標

事業活動における生物多様性影響のリスクに対して科学的根拠をもとに分析し、リスク低減に向けてサプライチェーン全体で取り組んでいきます。

目標

生物多様性に対する負の影響を低減し、持続可能な原材料への切り替えを目指します。

原材料調達方針

CASE

原材料生産に係る生物多様性負荷の軽減

シンコムアグリテックとの協業

私たちの主原材料であるコットンの生産は、大量の化学肥料と農薬の使用、過剰な農業用水の利用により土壌や生物多様性に悪影響を与えるなど、生物多様性に対して大きな負荷を引き起こしています。

私たちはこれらの社会課題に取り組むために、2022年よりシンコムアグリテックと業務提携を行い、化学肥料を使用しない土作り、農薬を使用しない栽培管理など「最新の有機栽培技術」を用いたコットン栽培を進めています。併せて周辺地域の環境保全と再生を行いながら、環境負荷の低減を科学的根拠に基づいて推進していくことで、生物多様性への寄与を図ります。

生産したコットンは将来的にサステナブルなサプライチェーンを構築し、商品で原材料として使用していく予定です。

 

関連情報

シンコムアグリテック社との取り組みに関するプレスリリースはこちら

ステークホルダーメッセージ

株式会社TSI
SDGs推進部
吉田 実里

化学的データに基づいた自然環境の保全と再生戦略で未来への希望を生み出す

私たちの事業が成り立つのは健全な自然環境があってこそだと考えています。
限りある地球の資源を使いながら、その恵みを還元できるように科学的根拠を持って取り組み始めています。WWF Biodiversity Risk FilterやENCORE、Aqueduct Water Risk Atlasといったツールを活用した分析を行い、リスクの把握に努めています。また、オーガニック農業企業との業務提携、オーガニック認証の取得も進め、リジェネラティブなサプライチェーンの構築を目指しています。